「イトウさんが『
ぼたもち』作ってきてくれたよ〜」
朝から母の大声に促され居間を覗けば、卓上にはつぶあんがツヤツヤと輝く「いかにも手作り」と言った風の大きめの
ぼたもちが行儀良く11個並んでおりました。
残りの1個は既に大きく開いた母の口へと正に運ばれているところ。
お隣ではニコニコとイトウさん。毎年この時期には100個以上の
ぼたもちを作っては振舞って歩く奇特な方です。小判に似た形の
ぼたもちを振舞う事にゲンを担いでおられるそうで、お母様の代から続いている習慣だとか。
母よ、昨日は「お彼岸だから、
あんころあんころ!」と言って、近所の和菓子屋で「
あんころ餅」を8個、買って来ていたのでは?
そして、もはやその影も形もない辺りは大食漢の我が家らしいのだが・・・
一昨日は「彼岸だから」と別の方が
ぼたもちをやはり差入れてくださっていたはず・・・
そしてその前日には、かく言う私が「たねやがないと生きていけん!」と豪語して桜餅と草餅を買って来た上に、弟も
ぼたもちを買って来ていたはず・・・
一体我が家はどれだけあんこ好き?餅好き?和菓子好き?なのでしょう!
お彼岸=浄土でございますけれども、これは真東から太陽が昇り、浄土の方角である真西に沈む日を指しております。
その為、お彼岸の中日(ちゅうにち)とはいわゆる「春分の日」と「秋分の日」である事は、皆様ご承知でございましょう。
その中日(ちゅうにち)を文字通り中日(なかび)に挟んで、前後3日ずつを加えた7日間がいわゆるお彼岸の期間でございますので、我が家は彼岸の入りからずっと「
ぼたもち」の恩恵に預かっている事になります。
ここまで何気なく「
ぼたもち」「
あんころ(餅)」という言葉を使っておりますが
厳密には、この呼び方が間違っている事、分かっております。
そう厳密には、春のお彼岸に供されるものは「
牡丹餅(ぼたもち)」
秋のお彼岸には、「
お萩(おはぎ)」春の花である牡丹と、秋の彼岸の頃に咲く萩の花に見立てている表現です。
品物自体は同じ物を指しております。
うるち米ともち米を混ぜた餅をお米の粒が残るほどに突き、小豆の餡で包んだ物です。
あまり知られておりませんが、夏と冬の呼び名も持っている季節に敏感な日本生まれのこのお菓子。
夏は「夜船」
冬は「北窓」と言います。
由来はどちらも月が見えない=搗きが見られない(餅搗きのように搗くところが見られない、分からない、音がしない)という事だったかと。
この餅に対して「
あんころもち(餡衣餅)」はもち米のみを使った粒の残っていないお餅を小豆の餡で包んだ物ですので、中身が違います。季節の呼び分けもございません。
精が付き腹持ちが良いので、街道沿いの茶店などでも供された事から、あの「赤福」や「安倍川餅」「峠の力餅」といった名物の生みの親となったのでしょう。
我が家では何故か物心付いた時から
ぼたもち(牡丹餅)=季節に関係なくつぶ餡で中身も粒の残った餅
あんころもち(餡衣餅)=こしあんで中は粒のないお餅 という呼び分けになっております。
まるで思春期のニキビ面や、所々にコゲを残したハンバーグでも思い浮かべてしまいそうなツブツブの餡に包まれた「
ぼたもち」には「
お萩(おはぎ)」などと言う美麗な表現が思い浮かばないのか、「
ぼたもち」と言う言葉の響きが相応しく感じているのか。
言葉を短く略するのが得意な江戸っ子には
牡丹餅を「
ぼたもち」と呼び習わすのが似合っているからかもしれません。故に
餡衣餅も「
あんころ」とポチでも呼ぶような軽やかさです。
これらの呼び名は地方によっても変わるようですが、皆様のお宅では如何相成っておりますでしょうか?
中日を迎えたお彼岸ですが、少なくともあと三日は毎日この「
ぼたもち」にお目に掛かる我が家でございます。
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コメント有難う御座いました。
本日キチンと説明して、何故こうなったのかどうしたらお客様に納得して頂けたのかを、理解してくれたと思います(なんとなくだとは思いますが)。叱ることを恐れず繰り返し指導していけばもっと良い仕事が提供できると信じて接していこうと思いました。
ちなみに、つぶアン大好きです。
【2008/03/21 18:43】
URL | パパになれないおとうさん #- [
編集]
こんばんは、いつもお越しくださりありがとう。
私は本日はこし餡のぼたもちとごまを塗したぼたもちを頂戴いたしました。
叱る事や怒る事って物凄くパワーが必要ですよね。煩わしいことがつい面倒に成りがちな自分を反省しつつパパになれないおとうさんの事を考えておりました。
お疲れ様でした。
そんな時は甘い物でもお一ついかがですか?
【2008/03/22 00:50】
URL | 江戸っ子若女将 #- [
編集]
こんにちは
こんにちは、
我が家は年中「ぼたもち」です。
「あんころ」と「ぼたもち」の区別も同じです。
祖母が若い時東京暮らしをしていたことと関係あるのでしょうか。
周りは年中「おはぎ」と呼んでいる方が多く、「ぼたもち」は少数派です。
ところで、先日ご紹介されていた「検定」、
やってみたらとても面白かったです。うちのブログでも紹介したいのですが、
女将さんのブログで知ったと書いてもよろしいでしょうか。
【2008/03/22 10:59】
URL | 琳子 #- [
編集]
地域性がおもしろいですね。
琳子さん、コメントありがとう。
昔からある物だけに、地域差が表れていて面白いですね。
江戸っ子の私には、お祖母様が「ぼたもち」を使用されていたのがなんとなく理解できます。
検定の件、全く構いませんが私も教えていただいたサイトさんなので、恥ずかしながら他人お褌で相撲をとるような…楽しんで頂ければどちらでも良いんですがね。
【2008/03/23 02:22】
URL | 江戸っ子若女将 #- [
編集]
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